ダイエットといえばカロリー制限。痩せる為には、いかに食事をヘルシーにするかが大切だと誰もがそう考えている。ところが、最新の研究によって「何を食べるか」と同じくらい重要な要素が、実はもう一つ発見されていたのである。
パンダ博士の研究
今、アメリカソーク研究所のサッチダーナンダ・パンダ博士による研究とその結果に注目が集まっている。
これまでダイエットといえば糖質や脂質をコントロールし、いかにカロリーの低い食事を効率よく摂取するかに焦点が当てられていた。しかし、パンダ博士の研究では「何を食べたか」よりも「何時間食べたか」が重視されている。そして、マウスを使った実験によりダイエットを成功させるために制限すべきは「量」ではなく「時間」であることが明らかになったのだ。
8時間ダイエットに2日間断食ダイエット
好きなときに食事をすることを許されたマウスに比べ、食事の時間が制限されていたマウスは筋肉量が多く、コレステロールの値も低かった。パンダ博士の研究は、食事のスケジュールをコントロールすることにはこれまで私達が考えていたよりもはるかに大きな意義があることを示している。
現在ブームが拡大中の8時間ダイエット(一日に食事が取れる時間を任意の8時間に制限する方法)や5:2ダイエット(平日は好きなだけ食べ、週末2日間は断食する)も、パンダ博士の調査から導き出されたダイエット方法なのだ。
朝食抜きは太りやすいんじゃなかったの?
しかし、「朝食を抜くと太りやすい」や「寝る前のドカ喰いはデブの元」とは昔からよく言われていた格言である。食事の時間を制限するために朝御飯を抜いたり、寝る直前に集中して食事をしても問題ないのだろうか?これらの格言は全くのデタラメだったの?
パンダ博士と共にソーク研究所で調査を進めるアマンディーヌ・シェ氏によると、たしかに食事の時間制限が厳しければ厳しいほどマウスの体重は減少する傾向があるという。そして、この「量より時間」の法則を発動させるためには、ある条件を満たすことが極めて重要とのことだ。
キーワードは「体内時計」
時間制限ダイエットを有効なものにするためには、食事をとるタイミングと体内時計のリズムがマッチしていることが重要。つまり、摂取した食事を体がきちんと消化できていることが大前提となる。
例えばコレステロールは胆汁によって分解されるのだが、この胆汁は起床直後から分泌されるある酵素によって管理されている。つまり、朝食であれば多少多めのコレステロールを摂取したとしても、その後寝るまでの間たっぷり時間をかけて分解することが可能なのだ。
コレステロールの分解が正しく行われなければグルコースの生成にも悪影響がある。つまり血糖値を不必要に上昇させ、糖尿病の原因にもなってしまうわけだ。
朝食を抜いたり、寝る前に大食いしてしまうなどの行為はダイエットにとって最悪の行為。単に時間の長さを制限するだけではなく、朝中心の健全な食生活が重要なようだ。