スティーブ・ジョブズ亡きあと、ポータブル・デジタル・デバイスはどこへいくのだろうか。iMac、iPod、iPad、iPhoneと、ジョブズの才能とわがままさを凝縮した商品が並び、人々が普段使うもののほとんどが携帯に吸収され、ジョブズが亡くなった今となっては、ポータブル機器の進化はここで完成してしまったような印象さえ受ける。
そんなときに気になったのが、「Sony Design: Making Modern」という本だ。
Sony Design: Making ModernのDesignには、商品の「設計」という意味だけでなく、時代の「設計」という意味も含まれているのだろう。
海外企業に押され、日本の電器産業の厳しさが話題になって久しいが、iPodやiPadが世に出てくる前、ポータブルの王様といえば、間違いなくSonyだった。
ラジカセを手に持てるようにしたWALKMANや映像を収録するカメラを片手で持てるようにし、かつ、一般の家庭でも使えるようにしたHandycamなどなど。時代を変えた商品が続々と思い浮かぶ。
技術者たちはどんな気持ちでどんな意図でそうした商品を作ろうとし、そして、作ったのか。行き詰まりを感じたときは歴史に学ぶのが一番だ。
Sony Design: Making Modernでは、Sonyの歴代商品を丁寧に振り返ってくれるらしい。ポータブル・デバイスにかかわる人でなくても、「アイデアはどのように生まれたのか」という角度で読むと、いろんなヒントが得られるかもしれない。
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