飛行機は安全な乗り物である。墜落事故の確率は1000万分の1以下で、車の死亡事故の5000分の1と比べてみるとそれがわかるだろう。
とはいえ、筆者を含め何百回飛行機に乗ってもあの例の感覚に慣れない人は多いわけで、毎回離着陸や乱気流などの際には心臓をバクバクさせてしまう。
乗客のパニックに対応
通常の大人ならどれだけ怖くても、そこは我慢して平静を装うのが普通。しかしそう涼しい顔もできない人も中にはおり、恐怖からパニックを起こした乗客のために緊急着陸をせざるを得なかった事例も何度と過去にあったようだ。
そんな航空会社の悩みを解決するべく、現在乗客の不具合を即座に察知する座席と、それに連結するアプリが開発中だという。これを基にフライトへの恐怖心だけではなく、ハイジャック犯の興奮や乗客の疾患など、異常をすぐさまキャッチ、これら問題をかなり軽減できるのではと期待されている。
乗客の満足度へも繋がるか
KLM航空らの協力の下、オランダのデルフト工科大学で開発中のこの「Flightbeat」というアプリには特殊な座席が導入され、そこには乗客の心拍数を計るセンサーが設置されている。
キャビンアテンダントがFlightbeatを見ながら、15Bの席に座る乗客の様子がおかしいのでは?などと邪魔にならない方法で乗客の具合をチェックできる。
それだけではなく、たとえば映画のチョイスで心情がどう変わるのか、どの辺りの乗客に不具合が出やすいかなどを理解し、カスタマーサービスの向上へも使われる方向。
今後スマートウォッチの普及と共にもっと便利になりそうな雰囲気だが、気になる点は、誰でもオプトアウト(免除)できるということ。それだと本当にヤバイと自覚している奴は自分から参加しないだろうが、プライバシー問題などから完全なる乗客の監視は不可能なのだろう。
確かに大の男が飛行機怖いよーなんてガクブルしているなんて知られたくないし、チラチラと意識されるのも気持ちが悪い。賛否両論出るのは間違いないだろう。
しかし昔は違和感のあったセキュリティーポイントで靴を脱ぐ行為と同じで、近い未来にはFlightbeatが空の旅の安全へのデフォルトになっている可能性もあり。
参照元:mental_floss