肥満に関する世間の意識は高まる一方だ。短期間で結果にコミットしちゃうトレーニングジムが大盛況のようだしデブに対する視線は真夏だというのに冷たくなる一方である。
どの程度太り過ぎなのかという一般的な指標として「BMI(肥満度指数)」がある。これは身長と体重から計算されるのだが実はこのBMI、専門家らの間ではもはや「当てにならない」という評価が定着し始めているようなのだ。
身長と体重だけでは何もわからない
長い間BMIは適切な体重であるかどうかの重要な指標として使われてきた。例えば我が国でいえば普通体重はBMI18.5以上、25未満でありそれ以上は肥満、つまり脂肪が体に付きすぎていると判断される。
しかし米国ボディ研究所の報告によるとこのBMIが同じであっても全く異なる体型がいくつも存在するというのだ。
この報告によると特に腹部と脚部については個人差が大きく身長・体重が同じ(BMIが同じ)でも脂肪や骨、筋肉の量は人それぞれ全く違うことが分かる。骨や筋肉は脂肪に比べて密度が高いため、鍛えられ、引き締まっている人ほど「デブ」だと判断されてしまうわけだ。
もっと簡単に太りすぎを判断する方法
腹筋バキバキのマッチョマンが小太り中年男性と同じ「肥満度」というのは誰が考えても違和感があるし実際間違っているだろう。
身長と体重だけで算出できるBMIはたしかに手軽だがそれで何が分かるのかと言えばホントは何も分かっていないのである。痩せている人なら大ハズレはないかもしれないが肥満かどうかのボーダーライン上にいる人などには過った判断が下される可能性が極めて高い。
BMIが25ギリギリだった人がジムに行って鍛え始めたら次の健康診断では「肥満」と判断された、などというのは私の周りでも実際にあった話だ。
オックスフォード・ブルックス大学の研究によればBMIよりももっと効率的に正しい肥満度を測定できる方法があるという。
それは自分の身長と同じ長さの紐を用意し、それを二つに折る。その半分になった紐でお腹を一周グルッとできれば肥満ではないし、周りきらない場合は肥満の疑いが濃いというものだ。つまり胴回りが身長の半分以上という人はヤバイのである。
脂肪は筋肉や骨よりも密度が低いと上述したが、なるほど確かにこれのほうが信憑性は高そうだ。
参照元:カラパイア