ドイツののどかな牧草地たいが広がる街シュタッツガルト。街を見下ろす丘の崖の上に立つ家に陽光が降り注ぎ、クリスタルのジェムのような輝きを放つ。それはまるで光の先を延長させているがごとく見える。
ソリッドな石と儚さをたたえたクリスタルが生み出す家とは
山肌に埋まる宝石の原石のように、コンクリートのボディの中に配置されたガラスがランダムな光を内外に照らす家。予想できない場所へと広がるシルエットがなんとも美しい。
人のイレモノである家、モダン建築に欠かせない素材のコンクリートは常に「冷たさ」「無機質」と評されてきた。抗うよりも自然界と同化することで、よりハートウォーミングな方向へとの舵取りをしたのがHouse 36(リサクルマテリアルハウス)。
ざっくりいうとHouse 36は自然のものとリサイクルされたもの半分半分で構成されているサステナブルな建築物。流し込むだけのキュービックなコンクリートと採光を前提に設計されたガラスのハーモニーはしっかりと計算されており、冬は温まりやすく冷えにくい、夏は暑くなりにくく冷めやすいとのこと。つまりエコの観点からも申し分ない。もちろんコンクリートとガラスというのはローメインテナンス(メンテの手間がかからない)素材の代表でもある。そ
家庭的な生活とシェルターのような体裁のハコをつなぐことによって創り出される「家」は、最大限の光と空間ゆえに宝石にように輝くのかもしれない。
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