空の旅をより安全なものにしたい同業他社が参考にするかもしれません。カタール航空は今秋、米ハネウェル・エアロスペース社が旅客機内での新型コロナウイルス対策のために開発した、紫外線照射で客室を消毒する装置「UV Cabin System」の運用を始めました。
通路を前進しながら、左右にアームを伸ばして消毒
「UV Cabin System」は飲み物を積んだカートとほぼ同じ大きさで、通路を前進しながら客室を消毒します。新装置の左右には窓際まで伸びるアームが備わっていて、アーム先のランプから殺菌効果が高い紫外線を照射し、客室表面に付着しているかもしれないウイルス・細菌を不活性化していきます。消毒作業にかかる時間は中規模の客室なら10分未満です。
ハネウェル社が生み出した、紫外線照射による客室消毒装置を運用するのは、世界的な航空会社だとカタール航空が初めてです。ドーハに本拠を置く航空会社は「UV Cabin System」を6台受領しましたが、世界の主要空港と結ばれているハマド国際空港に発着する全機で客室の紫外線消毒を実施できるよう、新装置の追加注文を視野に入れています。
新装置の出番は人による清掃作業が終わってから
カタール航空がこれまで行ってきた、IATA(国際航空運送協会)とWHO(世界保健機関)が推奨する清掃用品を使った機内定期消毒は今後も継続されます。紫外線照射で客室を消毒する装置の出番は、防護具を着用したスタッフが消毒した後になります。新装置の導入は機内における新型コロナウイルス対策を徹底的に行う決意の表れと言えるでしょう。
カタール航空の新型コロナ対策は進化し続けています。夏からは出発空港で乗客にフェイスシールドの配布を始めました。乗客には機内でコロナ対策グッズ入りポーチも配っています。ポーチの中身はマスク、手袋、消毒液です。拠点のハマド国際空港には人の流れが多いエリアに紫外線照射ロボットを配置しています。
参照元:Honeywell , Qatarairways