欧州を拠点とする研究プロジェクト・SHOALは、「ロボティック・フィッシュ(Robotic Fish)」の実用化の一歩を踏み出した。港湾の汚染状況を監視するための魚型ロボットは実験室を飛び出して、海中での試運転を行なった。販売予定価格は3万1600ドルのロボット、実用化は秒読み段階に。
ロボティック・フィッシュの目標は、水中汚染の探知であり、その把握に費やす時間の短縮だ。事前のデータ入力抜きで稼動し、数多くのセンサーを装備している。集めたデータは800メートル先の拠点まで送信することができる。
ロボットを魚型にする意味は、環境に溶け込ませるためであり、小さな範囲での調査のため。そんなロボットには人工知能が搭載されていて、海中に障害物があっても問題ない。もしロボットのバッテリーが切れかかると、拠点に戻ってくる仕組みにもなっている。バッテリーは1回の充電で8時間使用することが可能だ。
約150センチのロボットの水中での動きは不気味だ。そんな見た目はともかく、ロボティック・フィッシュの今後の可能性は無限大だ。水中の安全確保以外にも、捜索・救出活動の力になれるはず。今後搭載される機能次第では、放射能汚染の懸念もある日本の海洋調査の役にも立てるかもしれない。
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