一人の大学院生のひらめきは、自分がかけていたサングラスから生まれた。博物学に強い興味を示していた彼女は、日頃から動物の骸骨に囲まれながら、芸術の勉強をしていた。あるとき、レイバンのサングラスを動物の下顎(あご)の骨の隣に置いた瞬間。すべては始まったのだ。
一般人から見れば奇特かもしれない骸骨への情熱。そんな一風変わった学生のEmma Montagueが製作したのは、「鹿の下顎を組み込んだサングラス」だ。下顎、ツノ、エステルでつくりあげた作品制作にはイギリス鹿協会も協力している。つまりは“本物”を使用したというわけだ。写真であっても、そのユニークなデザインは見る者に強い印象を与える。
偶然の出来事を現実まで持ってくるあたりが、さすが芸術家のタマゴといったところか。ちなみに製作者が通っている、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートは世界屈指の才能が集まることで知られている。だからこそ独創的な作品が生まれるのだろう。鹿の下顎を組み込んだサングラスは、学校主催の展示会で見学することができる。近くで見れば、開いた口がふさがらないどころか、顎が外れるくらいびっくりするかもしれない。
この記事をシェア