押すのではなく、浮かせるのだ。マウスの常識を覆す『Up Mouse』は、従来のように指の腹で押してクリックせずともよくなる。特殊な装置を搭載したマウスは、逆に指を浮かせることで――指先の外側でクリックできる。
Up Mouseが生まれたストーリーはこうだ。開発者のDaniel Benamyはキーボードやマウスの打ち過ぎなどで起こる反復運動過多損傷(RSI)を抱えている。実際に作業のやり過ぎでそうなったそうだ。彼は痛みを感じないマウスを探したが、そんなものはなかなか見つかるわけもない。そんな彼が思い付いたのは、指(や手)に負担がかからない仕組みだった。
通常のマウスは屈筋という筋肉を使ってクリックするのだが、Up Mouseは伸筋を用いる。前者は動きをコントロールする筋肉だ。一方、後者は姿勢をコントロールするものなので、その筋肉を動かすことで痛みを和らげることができる。Benamyは「自分にとって最高のマウスだ」と語っている。もし製品化が実現したら、手や手首の痛みを抱えている人には朗報だろう。
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