時間とは本来、天文学的なものだ。例えば、1日の長さは地球の自転で決まっているし、1年とは地球が太陽の周りを1周することだ。つまり、時刻を表す時計の針は、宇宙の全ての天体の動きと連動している。そういった「時」の不思議さを最もよく表現した腕時計が、この「Christiaan van der Klaauw Real Moon 1980 Watch (クリスティアン・ファン・デル・クラウー・リアルムーン・ウォッチ)」だ。
この時計の作者は、世界的に知られたオランダの時計職人クリスティアン・ファン・デル・クラウー。彼は1992年に、有名なプラハの天文時計の腕時計ヴァージョンを世界で最初に発表して、時計マニアを驚かせた。このChristiaan van der Klaauw Real Moon 1980 Watchにも、彼お得意の天文学的な意匠が凝らされている。文字盤に配された4つのダイアルからは、日付や、月の満ち欠け、天球上の太陽の位置、地球上のどこかで月食や日食が起こる可能性などを読み取ることができる。ちなみに「1980」というのは名称で、これが実際に発表されたのは2011年だ。
Christiaan van der Klaauw Real Moon 1980 Watchを腕にはめるということは、単に腕時計をするのとは違う。時を支配する宇宙の神秘を身につける、という気がするのは私だけだろうか。
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