生体組織検査を革新する、300ミクロンの星

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直腸に腫瘍が見つかったとしよう。それが良性か悪性かを見分けために、つまり、がんかそうでないかを見分けるために、大抵は生体組織検査をすることになる。生検とか、細胞診とか呼ばれているものだ。この生検をするためには、サンプルになる細胞を患者の腸から直接取ってこなければならない。現在のところどうやっているかというと、簡単に言うと、ピンセットのようなものでつまみ取るというやり方だ。ところが、これに代わって、極小の星形の金属片で細胞の採取をしようという研究が、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で進められている。

Microgripper (マイクログリッパー)」と名付けられたその星形のものは、大きさ300ミクロン。コンピュータチップを作るのと同じ技術で、ニッケルから作られている。尖ったそれぞれの部分(ヒトデの腕のような部分)には特殊なポリマー加工がしてあり、温度が0度の時は平板な形を保っているが、体温と同じ37度になるとちょうど鷲掴みにする手のように閉じる。この時に、細胞をつかみ取るように考えられているのだ。

ジョンズ・ホプキンス大学では、現在、ブタの結腸でこれを実験中。いくつものMicrogripperを結腸の中にバラまいて、それらが細胞をつかみ取ったころに、カテーテルで吸い取って回収する。ピンセットではせいぜい数カ所の細胞を採取するのが精一杯だが、このやり方なら沢山の細胞を一度に採取することが可能になる。

今のところ、回収し切れずに体内に残されたMicrogripperが、体にどのような影響を与えるかが心配だが、研究がさらに進めば、生体組織検査を革新する可能性がありそうだ。

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