結核菌がネコからヒトへ 英国で初の報告も流行の恐れはなし

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英国動物衛生・獣医学研究所とイングランド公衆衛生局は、結核の原因菌の一つであるウシ型結核菌にネコが感染した上で、さらにネコからヒトへの伝染・結核発病という事例があったと公表しました。一般的に牛などで見られるウシ型結核菌がネコからヒトへ伝染し、発病したという報告は初めてです。

昨年、イングランド南部のバークシャー州とハンプシャー州で飼われていた9匹のネコがウシ型結核を発病したと判明しました。そのうち、6匹が死亡し、3匹が治療中です。該当のネコとの接触があった39名のうち、2名が結核を発病、2名が感染(未発症)していました。幸いなことに、発病した2名は治療を受け、現在は快方に向かっています。

ウシ型結核菌のネコからヒトへの伝染が気になるところですが、人獣共通感染症専門家のディリス・モーガン医師は「忘れてはならないのは、飼いネコがウシ型結核を発症した今回は極めて珍しいケースだということです」と語り、そのリスクは非常に小さいと結論付けています。なお、牛からヒトへのウシ型結核菌の感染・発病ですが、千葉県獣医師会によると、対策が徹底してある近年の日本においては非常に稀とのこと。

結核は、体内に侵入した結核菌が増殖することで発症しますが、すぐに増殖する場合と免疫で抑え込まれる場合があります。主な症状は咳、身体のだるさ、微熱など。治療薬の服用期間は半年が基本です。日本では生後1歳までの赤ちゃん全員が予防接種を受けます。二の腕にBCG(毒性を弱めたウシ型結核菌を用いたワクチン)の痕跡が残っているかもしれません。ただし、あくまで子どもの重症化を防ぐ予防接種なので、注意が必要です。

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