初恋って実った方がいいのかしら……。でもいつか別れる時が来たなら、せっかく得た恋の喜びは一体どうなるのかしら……。この映画を見ると誰でもそう思うはずです。けれど、やっぱり恋をした方がいいのです、きっと。
「恋をして恋を失った方が、一度も恋をしなかったより、どれほどマシなことか」と有名な詩人、アルフレッド・テニソンが言うように。
とても映像がきれいで、特に光が差し込む様子が美しく、柔らかい表現です。この映画『建築学概論』の監督はイ・ヨンジュという人で、映画に携わる前は10年間建築士をしていたという経歴があります。
作中に含まれている建築に関することに説得力があります。家をリノベーションしていくところが、『大改造‼ 劇的ビフォーアフター』を思い出して仕方なかったですが……。
韓国で観客動員数400万人越えのヒット作ラブストーリー
<ストーリー>建築学概論を受講しているスンミン(イ・ジェフン)は、音楽家の生徒ソヨン(スジ)に出会う。授業の課題を通して仲良くなる二人だった。
しかし、15年後にソヨン(ハン・ガイン)と再会したとき、建築家になったスンミン(オム・テウン)は他人のふりをするのだった。過去と現在を織り交ぜながら進む、ラブストーリー。
見るべきポイントはいろいろあるのですが、「恋愛あるある」です。スンミンはソヨンに恋をしていることが自分でも分からず、「僕の友達の話なんだけど……」と男友達に相談するところ。恋愛に限ったことではないですが、どうしてそんな見え見えな嘘をついてしまうんでしょうかね。あっさりバレるのにさ。
90年代の頭に登場したパソコンも注目です。スンミンが先輩の家を訪ねたとき、「ハード容量1GBあるパソコン」を見ます。彼は「1GBということは1000MBか……。一生かかっても使い切れないですね」と言うのですが、これが分かる方と分からない方といると思います。
夏が終わり、秋に向かっていく季節にぴったりの映画です。温かい飲み物を用意して、余韻にふける時間をいつまでも残しておきたいと思う映画です。
映画『建築学概論』http://www.kenchikumovie.com/
BD&DVD
発売元:ショウゲート/アットエンタテインメント
販売元:東宝