2013-14シーズンの欧州サッカーの大きな出来事の一つが、アーセナルFC(イングランド・プレミアリーグ)の久しぶりとなるタイトル(FAカップ)獲得です。
かつてJリーグの名古屋グランパスを指揮したアーセン・ベンゲル監督は、魅力的なパスサッカーで国内と欧州で一定の成績を収め続けていたものの、8シーズン連続で無冠に終わる苦境に立たされていました。若手有望株の成長を辛抱強く促してきた成果がようやく実ったのです。
17日に行われたハル・シティとのFAカップ決勝。先発で出場した選手の多くはワールドカップ(W杯)ブラジル大会でも活躍が期待されるプレーヤーばかりでした。
DFペル・メルテザッカーらドイツ代表が3名、DFローラン・コシールニーらフランス代表が3名、MFサンティ・カソルラもスペイン代表の候補リストに入っています。奇妙な状況に置かれているのはMFミケル・アルテタ。母国であるスペイン代表での出場歴すらありません。
プレミア屈指のMFでさえもW杯に出場できない現実。
FAカップ決勝戦もフル出場したアルテタは、チームのメインスポンサーであるエミレーツ航空のドバイ本社を訪問し、副主将として優勝報告を行ったばかりです。
そんな彼がノーチャンスの状況にあるのは、前回W杯を制覇したスペイン代表の中盤が人材豊富だから。ビセンテ・デル・ボスケ監督がMFシャビ・エルナンデスら既存の選手達に厚い信頼を寄せている以上、アーセナルのキープレーヤーでさえも弾かれてしまう状況です。
アーセナル所属の選手のうち、母国の代表チームがW杯に出場するにも関わらず、日本代表FW宮市亮もブラジル行きの切符は掴めませんでした。ゴールに直結するプレーができるジョーカーとして、31歳のFW大久保嘉人が選ばれましたが、その裏には宮市ら若い選手の伸び悩みがあります。
宮市は代表招集経験もあるが、怪我に泣くシーズンが続いてしまいました。ただ、アルテタと違い、彼はまだ21歳。今後の活躍に期待したいところ。
参照元:Emirates