体に悪いってホント?人口甘味料の真実

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未定 詳細なし

昨年9月、イギリスの科学誌「ネイチャー」に衝撃的な内容の論文が掲載された。これまで糖尿病の予防に効果的とされ、ダイエット飲料やトクホ飲料に多く利用されている人工甘味料が、実は糖尿病に対するリスクを高めているというのだ。

論文では人工甘味料入りの水を与えられたマウスと、普通の水や砂糖水を与えられたマウスとの間で耐糖能障害の起きやすさが比較されている。人工甘味料の与えられたマウスではこの耐糖能障害が発生する可能性が高まったのに対し、そうではないマウスには特段の変化は見られなかったのだ。

我々日本人にとって糖尿病は国民病とも言える大変大きな関心事だ。この論文が真実を伝えているのなら、我々は糖尿病対策を大きく見直す必要がある。

人工甘味料には2つのタイプがある

そもそも人工甘味料といっても様々な種類がある。そしそれらはざっくり天然系と合成系の二種類に分けられる。

天然系とはその名の通り、天然に存在する非糖質系の甘み物質を抽出したもの。キシリトールやステビアなどが当てはまる。

一方、合成系はアステルパームやサッカリンなどでこれらは本来は自然には存在しない物質だ。

人工甘味料の特徴はそのカロリーの低さだが、これも甘味料の種類によってそのメカニズムは異なっている。例えばアステルパームの場合二種類のアミノ酸が結びつくだけで同じ量の砂糖の200倍の甘味が得られる。これによって必要量を極端に少なくできるため結果的にカロリーを低く抑えられるのだ。

また、スクラロースという人工甘味料の場合は、体内で全く吸収も代謝されずにそのまま排出されるためカロリーを気にする必要がない。

ちなみにコストとしては天然に存在しないタイプ(アステルパーム等)の方が安いため、食品に含まれる機会としてはこちらの方が多いと見られる。

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相関関係と因果関係を混同してはいけない

人工甘味料の摂取状況と糖尿病の発症リスクに関しては、実は日本にも数年に渡って研究された結果があり、こちらでも人工甘味料と糖尿病には一定の相関関係が確認できるという。

だが、これらの研究ではまだまだ相関関係と因果関係の距離感が微妙なのだ。つまり、人工甘味料をたくさん摂取する人が糖尿病になりやすいのか、それとも糖尿病や太りすぎの人はこのような人工甘味料を摂取する機会が多いのかがハッキリとしていないわけだ。

例えば、人工甘味料をたくさん摂取したことにより甘味に対す味覚が異常になってしまい、その結果普通の糖分の摂取量も増大してしまったのではないか、という可能性もある。それに上述した天然系、合成系、どちらによりリスクが高いのかもまだよく分かっていない。

ネイチャーの論文では人工甘味料により腸内の細菌バランスが崩れ血糖値が上昇した、とされている。たしかにこれは説得力のある説明だがまだ研究者達からの幅広いコンセンサスを得られるまでには至っていない。引き続き実証や反証を繰り返しながら吟味されていくことだろう。

人工甘味料万能説は捨てるべき

今回のネイチャーの論文は人工甘味料に対する我々の認識を大きく変化させるに十分な内容であった。ただ、論文の最後にも記載されている通り何事にも個人差がある。性別・年齢・食事以外の生活習慣なども千差万別だ。

どんな物でも摂り過ぎれば毒になる。ただの水だって飲みすぎれば水中毒になってしまうのだ。

今回の論文で明らかになったのは「人工甘味料は万能ではない」ということ。他の食品同様、いくら摂っても問題ない物など存在しないのだ。

参照元:JB Press

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