日本人にはあまり馴染みのないA2ミルクという商品。オーストラリア、ニュージーランドと英国のスーパーでは販売されているが、これはA1たんぱく質を持つホルスタイン種など通常の乳牛ではなく、A2たんぱく質を持つ牛から出る牛乳のこと。
ヨーロッパ諸国、アメリカ合衆国や日本などではA1が主流だが、今年の4月から合衆国初のカリフォルニア州でのA2ミルク販売が解禁となる。
ニュージーランドにて発見されたA2たんぱく質
ニュージーランドの科学者コリー・マクラクラン氏は、なぜ一定の人が牛乳を飲むとお腹を壊してしまうのかをリサーチしている際、牛乳のたんぱく質にはA1とA2の種類があることを発見、A1がお腹のはりや下痢、吐き気などの症状を起こさせることがわかる。
この発見から、彼自身がA2 ミルクカンパニーを立ち上げたのだ。きっと彼自身も牛乳でお腹ピーピー組男子の一人だったに違いない。
可能性のあるA2の健康ベネフィット
まだまだ研究が必要とされるものの、A2は子供の自閉症や総合失調症、さらには糖尿病などにも効果があると言われている。まるで初乳のように栄養素満点でカルシウムも豊富とあり、育ち盛りの子供たちや骨粗しょう症予備軍には大きなベネフィットとなる。
無殺菌の生乳を選んでいた人も、A2ミルクだとサルモネラやO157の危険性無しで牛乳の味を楽しむことができる。
米国でのA2導入にはかなり時間がかかったようだが、これにはきっと酪農家からの反発もあったのだろう。値段も少し高めとあり、始めのうちはA2に変換する酪農家は少ないと言われているが、ハイブリッド車がそうであるように近い将来A2が主流になるのかもしれない。
実は筆者も味や安全性を考えアーモンドミルクや豆乳にスイッチした派だが、アメリカの牛乳がまずいと文句をたれる外国人はかなり多い。味もなかなか濃厚でうまいという話も聞くので、このミルク革命を非常に楽しみに待っている。
参照元:Food Safety News