中国の鉄道車両製造メーカー「中国南車」が、新たに車両を開発したと発表した。中国古来の刀剣をイメージさせるデザインの、この試験車両は、なんと時速500キロも出せるのだという。リニア式ではない電車型で、かつ商業に開発された車両としては、もちろん世界一。本車両は、北京と上海を結ぶ予定とのこと。
この試験車両のベースになっているのは、「CRH380A」という、日本の新幹線「はやて」の技術が詰め込まれてある車両を改良して製造されたものだ。ここで気づかれた方もいるかもしれない。そう、2011年7月に起きてしまった凄惨な大事故。あの車両が基本になっているのだ。じつはあの事故に関してはは、まだ正式な見解は発表されていない。そんな中での、ずいぶんと早すぎる新車両開発。もちろん中国国民の意見は、批判的な声が大きい。しかし、中国政府はそんなことはお構いなしで、向こう10年の間に、中国主要都市を高速鉄道で結ぶ計画を推し進めている。
中国と言えば、すでにリニアモーターカーが実用化されている、世界でも早い国だ。しかし、コストの問題から、10,000マイルもの距離を走らせることは困難なのだ。だからどうしても新幹線が必要。それも早いやつを。この新しい車両がそのまま実用されたとしても、もちろんずっと時速500キロで走行するわけではない。まずは、約400キロくらいで走るということらしい。
車両の性能ももちろんだし、絶対的に安全である必要もある。もしも、これらが完璧に達成できれば、使用者にとって快適な乗り物になるに違いないだろう。あとは、だれがその電車に一番最初に乗るか、という点が問題であろうが。
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