ビンテージものが珍重されるのは、酒の世界でも同じ。「何年物」という言葉についつい反応してしまうのは世界共通のようで、ロンドンでは奇跡の保存状態の234年前のコニャックClos de Griffier Vieux(£ 50,000=約6,270,000円)が存在し、当地の酒好きの羨望を得ている。
そのロンドンでエグゼクティブが集うバーのThe Playboy Clubで世紀のイベントが開かれようとしていた。くだんの伝説のコニャックを使い、世界一値段の高い「神カクテル」をつくりギネスブックに名を残そうと、有名バーテンダーのSalvatore Calabrese氏が慎重に準備をしていたのだ。
だが、話は急展開。イベントが始まる前、ちょいお調子ものな2人の参加メンバーがボトルを手に取り、こともあろうかテーブルから落っことしてしまったのである。 Calabrese氏がちょっとその場を離れたばっかりに、ボトルはこなごなに砕け、残っていたコニャックはあろうことか床が飲んでしまうという残念な結末を迎えた。しかも通常この手の物には保険がかけられているのだが、このコニャックはすでに開栓されていたので補償対象外だった。いや、金の問題ではないか。もちろんギネス記録の夢も同時に粉々に砕けてしまった。だが、覆「酒」盆に返らずと言うか、彼自身はこのようなアクシデントが起こりうるものと事を納めたようだ。
他にもレアな酒の収集をしているCalabrese氏の鍵付きのキャビネットには、今でもボトルのかけらがキープされている。
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