陣痛の緩和で産後うつ病の発症リスクを軽減か 米医学博士が論文発表

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大切なパートナーの「痛み」を考えてみませんか。陣痛・後陣痛(出産後の痛み)を麻酔でコントロールすることにより、産後うつ病の発症リスク軽減の可能性があるとする、キャサリン・ウィズナー医学博士(米ノースウェスタン大学)の研究論文が、学術誌「Anesthesia & Analgesia」14年8月号に掲載されました。

今回の論文は、中国で行われた新しい研究をもとに書かれました。硬膜外麻酔(下半身の手術時に用いる局所麻酔)で陣痛を緩和すると、麻酔を実施しない場合と比べ、産後うつ病を発症するリスクがはるかに小さいとする結果が出たのです。

ウィズナー氏は「陣痛と産後うつ病を関連付けた研究が皆無という現状はとてつもない怠慢だ」と指摘しています。

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うつ病、そして産後うつ病とは。

そもそもうつ病とは何でしょうか。アステラス製薬は「脳の中の神経の伝達がうまくいかないことで起こる病気」と定義し、心や体にさまざまな症状が現れるとしています。産後うつ病は、母親としての自分を過度に責める、過小評価するなどの傾向が見られます。

妊娠の届出後に交付される母子健康手帳によると、産後うつ病は「産後のお母さんの10~15%に起こる」。疑問を感じたら、専門医療機関で相談・検査を行うのが良いでしょう。

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ウィズナー氏の論文は「分娩時の激しい痛みの回避」に主眼を置いていますが、出産時の硬膜外麻酔を実施する医療機関は限られています。出産する際の鎮痛法(ゆっくりとした呼吸法など)を前もって練習しておくと、妊婦の不安が軽減されるかもしれません。

陣痛・後陣痛は女性にしか分からない痛みです。ギガメン読者の皆さん、どうしたらパートナーが安心して出産し、その後の生活を共に歩んでいけるのか、よく考えてみませんか。

参照元:Northwestern University

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