フェラーリといえば、車好きでは知らぬ者はいないであろうイタリアの自動車メーカーである。
幾多のスーパーカーやF1マシンを輩出してきたフェラーリであるが、昨年フェラーリFFという名のモデルが発表された。FFといえば前輪駆動の略称であるため、遂にフェラーリから前輪駆動車が登場かと思われるかもしれないが、然に非ず。このフェラーリのFFは全くの別の
意味合いで、フェラーリ・フォーの略である。後者のフォーは4輪駆動の「4」と4シーターの「4」を兼ね備えている。
このフェラーリFF(Ferrari FF)はフェラーリ初の4輪駆動車で狩猟用の高級ワゴン(Shooting brake)として開発された。山野を力強く走破するために過去最高の660馬力を絞り出す新開発のV型12気筒DOHCエンジンを搭載し、前進7速デュアルクラッチトランスミッションと新開発の4WDシステムを介して圧倒的なパワーを路面に伝えていく。メーカー発表による最高速度は時速335km、時速100km到達までは3.7秒、時速200km到達までは11秒と、狩猟用とは思えぬスーパーマシンだ。狩猟用を目的として開発した車だけあって荷室も広く、後部座席を折りたためば更に広い空間を確保する事が出来、より多くの装備を積載する事ができる。そしてデュアルクラッチトランスミッションというクラッチペダルの無い変速機のため、日本ではオートマチック限定免許でも運転が可能である。
気になる日本市場での価格は3,200万円と発表された。今回このフェラーリFF(Ferrari FF)というスーパーマシンを、WRC世界ラリー選手権において優勝19回を数えながら一度もドライバーズチャンピオンに輝く事のなかった「無冠の帝王」マルク・アレンが北極圏に近いスウェーデン北部の雪上でドライブする様子が発表された。
現役時には「モアパワー」を口ぐせにし、エンジン全開走行が信条だった彼が、このフェラーリFF(Ferrari FF)をどのように操るのか注目である。