こちらは、グラブ型携帯の「グラブ・ワン(Glove One)」。米ウィスコンシン州ミルウォーキーをベースに活躍するデザイナー、ブライアン・セラが制作したものです。
セラは3Dプリンタを使用してグラブ・ワンをデザイン、リストウォッチ型の携帯からパーツを流用して、このコンセプトモデルを仕上げました。残念ながら市販の予定はありません。ギークでなければ不格好にも見えるグラブ・ワンは、我々のもつ携帯への依存に対するアンチテーゼになっているからです。
セラは言います。
「我々は、テクノロジーに対するアンビヴァレントな依存を通して、我々自身を増幅させているということ。グラブ・ワンは、デバイスを得ることでもたらされた『自由』への称賛でもある」。
つまりは将来、スマートフォンが、シェリー・タークル(接続された心―『インターネット時代のアイデンティティ』の著者)のいう「幻影肢」としての進化を遂 げたとき、我々は今ある「手」を犠牲にしなければならなくなるということ。自由を獲得するために自由を奪われるとはなんという皮肉なのでしょうね。
ふふ。だってそうでしょ。現在でも大方の人間にとって「行方をくらます自由」という選択肢は、すでに奪われてしまったのですから。
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