Googleは米国現地時間22日、独自の無線通信サービス「Project Fi」を発表した。Googleは、1ヶ月前にバルセロナで開催されたモバイルワールドコングレスで同サービスについて示唆していたが、ついにその詳細が明らかになった。
SprintとT-Mobileの2社と提携、対象モデルはNexus 6のみ
Project Fiはシームレスかつ高速な通信を謳っており、ユーザの現在位置をもとにSprintとT-Mobile2社のうち、より電波が強く速度が速い方のサービスをGoogleが自動判定して接続するというもの。
米国内の通話とSMS(ともに無制限)などのサービスが含まれる基本料金が毎月20ドル、使用データ1GBにつき10ドルと、従来のプラン契約年数の縛りなどが一切ない。Googleのプランでは使用分を支払うのみ、というなんともシンプルなシステムだ。
他大手キャリアのプランと比べても月々の支払いが少なくすむため、消費者にとっては非常に嬉しいプライスプランだ。
一つの番号をPCやタブレットなど数台のデバイスで使用することも可能だ。現在はNexus 6のみの対応となっているが、近いうちに他機種対応となるそうだ。
Googleが新サービスを提供する真意
Googleの中核は検索広告事業だ。人々をオンラインに導くものは全てGoogleにとって有益なものだ。
そして同サービスがAndroidとNexus 6のみに対応しているということから、消費者がGoogleの新サービスに申し込むということは同社のスマートフォン、同社のOS、そして同社のオンラインサービスとワイヤレスプランに申し込むことを意味する。
またGoogleは、スマートフォンでの検索で各ウェブサイトがモバイルに対応しているかどうかを検索ランキングの判断基準とすることを先日発表したが、これはウェブサイトのスピードを速めること、そしてより良いアクセシビリティを確保するための策略だと言われている。
Google Fiber(光ファイバー事業)もまたGoogleの策略の一つではないかと言われている。Googleはブロードバンド・プロバイダとしてトップに立ちたい訳ではない。家庭用ブロードバンドのスピードを高速化して低価格でオファーすることでユーザの利便性を高めることができ、結果、より多くの人がGoogleの核事業に時間を費やしてくれると考えているのだ。
キャリア2社はなぜGoogleと提携したのか
SprintとT-Mobileは常に大きなチャンスを狙っている。両社とも既に多くのMVNO(仮想移動体通信事業者)に回線を貸し出している。今回のGoogleとの契約もこれら多くのMVNOとの契約と同じ形態だが、決定的に違うのはGoogleがモンスターカンパニーだということだろう。
だがこれらキャリア2社にとっては必ずしも有効な契約だとは言えないのではないだろうか。多くのキャリアにとってGoogleの新サービスが脅威であるように、SprintとT-Mobileにとっても自社サービスの利用者が減少することを意味する。
Googleはユーザを念頭に置いて同サービスの計画を綿密に練ってきており、ユーザにとっては願ってもないサービス内容で、多くのユーザが現在利用しているサービスからAndroid=Googleへの移行を検討するのではないだろうか。
価格破壊やモバイル業界の破壊を目指してきたGoogle、その願いがついに現実のものとなりそうだ。
参照元:Re/code