私たちにとって身近な、しかし目には見えない細菌の存在を考える契機となるでしょう。英リーズ大学医学部の研究グループは、お手洗いをすませた後にハンドドライヤーを使用した場合、ペーパータオルと比べ、とてつもなく大量の細菌が拡散するという研究成果を発表しました。
研究グループによると、手を下に挿入するタイプのハンドドライヤー(ジェットタオル)の周囲に漂う細菌数は、ペーパータオルを取り出せる装置と比較し、27倍の多さだったとのこと。手を前に差し出すタイプのハンドドライヤーと比較しても4.5倍もの多さです。衝撃的な数字と言えるかもしれません。
空気感染する病気に関する研究の手がかりになるか。
研究に用いた細菌は、お手洗いにないとされる、無害のラクトバチルス属(乳酸菌)。細菌を両手につけて、その動きを追ったところ、15秒乾かして5分以上経過した後の周囲の空気中の細菌数は乾かした直後から半減にとどまりました。さらに15分経過しても、細菌は浮遊している実態が浮き彫りに。
研究グループは「今回の成果は、細菌がどう拡散するかを理解する上で重要」との談話を発表しました。衝撃の数字を聞いた後では、トイレ発の研究が空気感染する病気(結核、麻疹など)に関する研究に役立てられることを祈るばかりです。
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