大量の使用済みマスクが荒削りなスツールに生まれ変わるまで 韓国

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世界中のユニークなデザインにスポットライトを当てるサイト「designboom」は今冬、韓国・桂園芸術大学校に通う一人の学生に注目しました。リビングデザイン科で学ぶキム・ハヌルさんが、大量の使用済みマスクを「溶かす」ことで、スツール(腰掛け)を作り上げたからです。

不織布マスクの大部分がプラスチックであることに着目

新型コロナウイルスの世界的大流行が始まって以来、GIGAMENの読者にも心当たりがあるでしょうが、不織布マスクの消費量が爆発的に増えました。使用済みマスクの世界全体での廃棄量は1カ月で約1300億枚というデータもあります。そこでキムさんは自身が学んでいる「家具のデザイン」と「マスクのリサイクル」の両立を模索することに。

キムさんは廃棄される不織布マスクの大部分がプラスチックの一種である「ポリプロピレン」で作られていることに着目しました。マスクから耳ひもとワイヤーを取り、本体とフィルターを熱風で溶かし、冷やして固めることで、積み重なればスツールになり得る、荒削りな材料を作ることに成功しました。ただスツール1脚を生み出すには、約1500枚ものマスクを溶かす必要があります。

マスクをきちんと処分しなければ、やがて人間の体内へ

キムさんは韓国SUBUSU NEWSの取材に対し、「使用済みマスクが腰掛けになるのなら、照明にもテーブルにもなる」と語り、マスク回収箱の必要性を訴えています。マスクを回収・消毒する仕組みが整えられ、熱で溶かす・プラスチックを冷やして固める工程がスムーズに行われることに期待せずにはいられません。

最近外を歩いていると、ポイ捨てされた不織布マスクを見かける機会が増えたと感じている人がいるかもしれません。それらはやがて川から海へ流れ、5mm以下のマイクロプラスチックになり、まず川や海に生息する生き物の体内、そして私たち人間の体内に取り込まれることになります。マスクに限らず、プラスチックごみはルールに従って処分しましょう。

参照元:designboom

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