動画を見て頂きたい。見てのとおりピザを作っている様子が撮影されている。ただちょっと普通と違うのは、ピザが小分けにパックされているところだ。ピザは直径30㎝程度の円盤形(最近は四角形もあるが)に8等分に切れ目が入っているのが普通である。
実は、このピザはアメリカ軍がMRE(個別パック食糧)として数年間をかけて開発してきたものなのである。これまで戦場における過酷な環境の中で兵士に提供できるものは缶詰が基本であった。しかし、缶詰だけでは兵士の士気にも関わる。なんとか兵士に祖国で味わったピザを食べてもらいたいという思いから開発研究が続けられてきたのである。
ピザは何といっても生地がキモである。冷めてしまったピザは生地が湿気を吸ってベチャベチャになってしまい、チーズも固まって味が落ちてしまう。これを防止するために、生地やチーズの発酵の進み具合を調節したり、特殊真空パックによって酸化を防止したりする試みが続けられてきた。そして、長期間保存できるものが完成したようである。
MREとしておいしいピザを提供できることは、兵士にとってはこの上ないことだろう。兵士に罪はない。しかし、MREを必要としない平和な世界がくることを願って止まないのは私だけだろうか。
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