新渡戸稲造『世渡りの道』から学ぶ10の道!

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大正元年(1912年)に実業之日本社から出された、新渡戸稲造著『世渡りの道』を再編集し、改題した。本書では「人としてどう生きるか」と問いかけるものばかり。

時に言葉は時間を越えるもの。当時の言葉に学ぶことがきっとあるのではないでしょうか。

10の世渡りの道!

1:「当たり前のことを確実にできるとともに、人よりももう半歩だけ先が見える人がいちばん強い

当たり前のことを確実にすること、自分の義務を果たすことが大切と随所で述べられています。今すべきことは何でしょうか。紙に書いたり、友人・上司・同僚と話して、形にしてみてはいかがでしょうか。

2:「【これしきのことに腹を立てるようでは自分がもったいない】と思え」

自分の成長を大きくする怒り、小さくする怒りがあるのでは。あなたの尊敬する人はきっと自然と実践しているはず。

3:「まごころを尽くせ、それが礼儀正しさとなる」

「誠実さ」は二つとない財産。【ここまでやってくれるのか】という行為は、人の記憶に強烈な印象を与えてくれるものになるのでは。

4:「自分をさらけ出して懸命に努力する者が結局は勝つ」

代役のきかない人になる。人にみえないところでの努力は、まわりの信頼に必ずつながっているもの。

5:「たった一つの【不幸】のためにいくつもの幸福を棒にふってはならない、「自分の“地位”のために手足を汚してはならない」「さもしい根性をキッパリ捨ててこそ大きく生きられる」

他人を蹴落としてまで得られることは小事。小さい自分を捨てて得られるものは大事かと。

6:「率先して“踊った”人だけが味わえる人生の醍醐味」

自分を磨く材料はどこにでもあるはず。率先してやってみるから、その人しか感じられない経験は計り知れないもの。

7:「塵の世にありながら、心まで汚されず、泥水に浮かびながらもなお身を清く保ち、ひいては自分の周囲にある泥水をも清め、自分の周囲を取り巻く塵を払うのが、人の人たる道だと思う」

別の箇所では、「正しく清い心をもち、心に欲をもたず、虚心に世を渡れば、必ず同じ志の人が現われ、あるいは隠れたままで我々を援助してくれる」とも言われていました。ひとりよがりの生き方では、いずれ行き詰ってしまうということでしょうか。

8:「いやしくも自らを重んじる人であれば、必ず他人を尊敬する。他人を尊敬する念が起こらないという人は、自分の心中に大きな欠陥があることを自白するものである」

苦労が顔に出ない人の厚みは、芯のある人の特徴でもあるかと。一言「ありがとう」といえる心のゆとりは、つねに心がけたいものです。

9:「人に惜しまれることは望ましいが、自ら己を惜しむことは最も慎まなければならないことである」

「自分に甘いから泣き言が出る」とも新渡戸氏は指摘。省みるのは何か行動をしてから。ふり返りすぎでは、すべきことですら見失ってしまうかもしれません。

10:「多くの人は己の本分を忘れ、なすべきことを怠り、空想にふけり、得がたきものを望み、そのためにますます悩むものである」

自分でとことん満足のいく人生を目指すなら、まず当たり前のことから確実に。当たり前を淡々とこなす人が、時間を上手に使っていけるようになるのかも。

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『武士道』を自ら英文で著したことで有名な新渡戸氏。かつて国際連盟の事務次長を勤め、五千円札の券面にも印刷されるほど。「本を読むこと」「日記をつけること」「思想を養うこと」とは、彼の実践していた基本の習慣とも。

まずは一冊、今日から読んでみてはいかがでしょうか。

参照元:「世渡りの道」(Amazon)

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