先月、オランダで実物大のノアの方舟を模した施設「Noah’s Ark」が正式オープンした。もはや船ではなく、建物と呼ぶ方がふさわしいほどの大きさを誇る。なぜ旧約聖書等に登場する方舟が具現化されたのだろうか。
建設計画が立ち上がったのは1992年。今から20年前も前の話だ。しかも嘘みたいな話ではあるが、建設業者のJohan Huibersが見た夢がすべての始まりだったそうだ。北オランダの小さな村に住む彼が見た夢は、嵐の中、海からの大波でオランダが浸水してしまうというものだった。
旧約聖書の記述によれば、ノアの方舟にまつわる話は、悪い人たちを洪水で流そうとした神が善人だったノアに箱舟をつくるように命じたところから始まる。Huibersはそのエピソードと夢がリンクしたのだろう。
聖書の記述には3階建てとある方舟。ノアの親族やあらゆる動物を乗せたほどで、一からつくるのは相当困難であったに違いない。方舟の詳細を調べるのに長い年月を費やしたかいもあって、非常に忠実に再現してあるそうだ。
関係者いわく「地球規模の洪水を想定したものではない。信念の象徴として造った船だ」と述べているNoah’s Ark。オランダの新しい観光地になっていくはずだ。
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