マティーニ、モヒート、スクリュードライバー、シンガポールスリング。この世には見た目に美しく味わって美味しいカクテルが多くあり、旅先のバーでも地元のオリジナルカクテルを楽しむことができます。あやしげな緑色をしたDead Frog(死んだカエル)など、面白いネーミングを楽しめるのもカクテルの良いところ。
今回は、カクテルの中でもとびきり美しいものやぶっ飛んでいるものを前編・後編に分けて皆さんにご紹介します。
Chicago Fire Extinguisher
シカゴのArbellaで飲めるこのカクテルは、1871年に発生したシカゴ大火にちなんでつくられました。なんだか理科の実験をしているような気分になりそうですね。丸いボトルは、大火災の際に火が広がらないようにと火の中に投げ入れられた塩化ナトリウムが入ったボトルを再現したもの。スコッチ、ハーブの食後酒、蒸留酒を混ぜ合わせたものをボトルに注ぎ、ワイン樽の木片を燻煙した煙を入れてコルクで栓をしています。飲む前に氷でできたグラスにボトルの中身を注ぎ入れて、香ばしいアロマを鼻で楽しみ、くゆる煙を目で楽しみます。
Sarlacc Pit
シカゴのカクテルバーThe Sixthで飲めるスターウォーズファン歓喜のこのカクテルには、ダースベーダーの形をしたパート・ド・フリュイ(フランスのフルーツゼリー)がのせられていて、ボバ・フェットの形をしたグラスに入っています。「おいおいトロピカルとか(苦笑)」、とダースベーダーが嘆きたくなるくらいバケーション感いっぱいのカクテルです。
Mission Chinese Punch
中華料理をアレンジしたメニューのレストラン「Mission Chinese」のニューヨーク店でSam Anderson氏がつくるカクテルがMission Chinese Punchというカクテル。窓際に設置されたフリーフローセットはドリンクというよりアート!おかわり自由ですが早い者勝ちなので、このカクテルを存分に楽しみたい人は早めに行くべし!人気のフリーフローパンチは、ジン、スウィート・ベルモット、カンパリ、ココナッツリキュール、ライムジュースのトロピカルなブレンドです。
WhafTiki
マサチューセッツにあるCafé ArtScienceのWhafTikiカクテルは、アプルトンエステートラム12年、コックシュアエール、ライムジュース、炙ったシナモン、フレーバーつきの氷、そしてサトウキビからつくられた蒸留酒のカシャッサをブレンドしてつくられています。アーモンドとパイナップルのフレーバーをした氷が入ったグラスにカシャッカのアルコール蒸気を入れたら、砂糖でつくられた円状の砂糖菓子で蓋をして蒸気をグラス内に閉じ込めます。飲むときにこの砂糖の蓋を割って蒸気が少しずつ出てくるのを吸い込んで香りを楽しんだら、グラスにカクテルを注いでゴクリ。少しずつそれぞれのフレーバーが一緒になり、伝統的なティキドリンクの味わいが体中に広がります。
Red Pepper Margarita
人気のカクテルの上位に必ずランクインするマルガリータ。サンディエゴのBiCEレストランでは、赤ピーマンにマルガリータが注がれてサーブされます。赤ピーマンもマルガリータのベースとなっているテキーラもともにもともとはメキシコのものなので相性バッチリ。
Beetlejuice, Beetlejuice, Beetlejuice
ポートランドのBacchus Barで出されるこのカクテル、食用の甲虫を乾燥させたものが真っ先に目にとまりますね・・・虫の好物(木=ローズマリー、リンゴ=アップルブランディ、葉っぱ=バジル)からヒントを得たカクテルなのだとか。クランチーな虫入りカクテル、虫を食べるのは抵抗がありますが、カクテル自体は美味しそうで見た目はオシャレなので一度頼んでみたいカクテルではあります。
Flaming Spanish Coffee
シカゴにあるバーボンがテーマのレストランBaptiste & Bottleでは、テーブルのすぐ横で実際にこのカクテルをつくってくれます。ラム(ロンリコ151)でグラスの縁に炎を灯し、シナモンパウダーをパラパラ。炎灯るグラスの中でカクテルがつくられ、仕上げにホイップクリームをたっぷりのせていただきます。
Red Light Negroni
サンタモニカの Belcampoで必ず試したいのがRed Light Negroni。カンパリ、ベルモット、そしてジンの起源といわれるボルスジュネヴァがミックスされたカクテルが中身を取り出した空の電球に入れられてサーブされます。
Goonies Never Say Die
サンディエゴにあるカクテルラウンジ/ティキバーの Cat Eye Clubでは、宝箱に入った4~6人分のカクテルが人気です。伝説の映画グーニーズの名セリフ「グーニーズは絶対に何があっても諦めないよ!」がそのままカクテル名になっています。Appletonのシグネチャーブレンドウィスキー、オレンジジュース、レモンジュース、グレナデンシロップのブレンドが子供の頃の懐かしい想い出を思い起こさせてくれます。大人になっても冒険心をいつまでも忘れずにいたい人はぜひGoonies Never Say Dieを飲もう!
Midnight in Paradis
え、これがカクテルなの?!テーブルに出てきたらウェイターさんに思わず聞いちゃいそうな見た目のこのMidnight in Paradisは丸い氷の中に入っていて、氷を割って中から出てきたものを飲むのだそう。トリュフで風味付けされたヘネシー・パラディ、食後酒、ハニーシロップ、食前酒(ロゼ)、トリュフの薄片からなるなんともラグジュリアスなカクテルです。
Fish Tanks
ネーミングどおり水槽(虫かご?)のカクテルです。ボストンの Trade Restaurantで飲めるこのカクテルはその見た目のインパクトで人気なのだとか。ニモらしきキャラクターのカクレクマノミが2匹揃っていらっしゃ~いと挨拶(こんなにかわいいんだからカクテルと一緒に飲みこんじゃわないでねとのお願いも)しています。
芸術といえるような素晴らしい見ためのカクテルから、すごく美味しそうなもの、とにかくぶっ飛んでいる発想のもの、もはやカクテルに見えないもの、いろいろありますね。カクテルの世界の奥の深さがよく分かります。前編に引き続き後編でも驚きのカクテルや美しいカクテルの数々をご紹介しますのでご期待ください!
参照元:Men’s Journal