塩分は体に悪い!そんなの常識だろうって?なぜ?血圧を上げるから?それ・・・本当なの?塩分を取りすぎると早死にすると信じる人は一体どのくらいいるだろう。子供ならいざ知らず大の大人ならみんな常識としてそんなこと知っている。
しかし、米国における最近の研究では実は塩分摂取制限にこそ高いリスクがあることが明らかになってきたのだ。
減塩は死亡リスクを減少させる 賛成派の意見
まずは従来の減塩賛成派の意見をおさらいしておこう。例えば米国人は一日に約3500ミリグラムの塩分を摂取している。この塩分は特に肥満症の人を高血圧化させる大きな原因となっていて、死亡率の上昇や医療費の高騰に拍車を掛けている。
イギリスでも8年間に渡る減塩プログラムにより、塩分摂取量が15%低下すると共に高血圧や心疾患が減少したというデータがあるのだ。
減塩=安全と妄信するのは危険 反対派の意見
その一方で減塩リスクこそ無視できないとする根拠はこうだ。
塩分の摂取量が低すぎるとまず血流が弱まってしまう。すると体の防衛本能が過剰に刺激されることになり、特定のホルモンが異常に分泌されてしまう。その結果、この上昇したホルモン濃度が様々な臓器に悪い影響を与えてしまう。
一日に平均2800ミリグラム以下の塩分しか摂取しなかった人は、それ以上に摂取した人に比べ明らかに循環器系の疾患リスクが高まるというデータが数多くの研究結果から判明しているのだ。
また、デンマークの大学が実施した減塩と血圧の関係を調査した167の実験でも、血圧が正常である人が減塩を行っても血圧の上昇や低下には何の影響も与えないことが明らかとなっている。
日本人が証明する減塩の無意味さ
確かに米国人の一日3500ミリグラム程度でガタガタ騒ぐなという意見にも納得できる。実は日本人の場合は一日に塩分を、男性:11100ミリグラム 女性:9400ミリグラムも摂取しているのだ。
日本人は伝統的に塩分を多く摂取している。ヘルシーフードの代名詞として世界中で人気となっている和食も塩分だけはウィークポイントなのだ。味噌に醤油、漬物と日本は世界でも類を見ない程の塩分愛好国家なのである。
さて、果たしてこの塩分過多な食生活がどの程度健康に悪影響を与えているだろうか。ご存知の通り日本人の寿命は世界一。むしろ塩分の多さは健康に何の問題も与えないと体を張って証明しているようなものではないだろうか。
塩分は体に悪い!ずっとそう言い続けて来た医学の専門家が急に立場を変えるのは難しいだろう。自分の意見の間違いを認めることは彼らの存在価値に自ら疑問符を貼り付ける行為だからだ。
しかし我々は知っておかなければならない。常識はいつでも覆される。医学はそうやってこれまでも、そしてこれからも発展していくのだ。塩分に関する既成概念は今正に打ち砕かれようとしている。