ここ数年、電子タバコの人気が拡大している。世界的に有名な辞書である「オックスフォード英英辞書」による「2014 今年の単語」に選ばれたのも「Vape(ベイプ)」であった。
ベイプとは、液体を気化させ発生した蒸気を吸って楽しむことを意味し、これは正に電子タバコの使用方法そのものである。
日本でも古くからある紙巻タバコの売上が減少し続ける中、日本たばこ産業(JT)が販売している「Ploom」やフィリップモリス・ジャパンの取り扱う「iQOS」といった電子タバコの売上は絶好調だ。販売開始直後には売り切れとなる店舗も続出した程だという。
危険な研究結果に震える?利用者たち
特に電子タバコ先進国であるアメリカでは既にその市場規模は2,000億円以上にも成長しているとのこと。しかし、ここへ来てそのアメリカから電子タバコの安全性に関して気になるニュースが飛び込んできた。
ポートランド州立大学の4人の教授達によって行われた研究によれば、ニコチンを含んだある特定の電子タバコ用リキッドを過熱すると、これまでに発見されていなかった全く新しい型のホルムアルデヒドが検出されたというのだ。
ホルムアルデヒドには高い発ガン性があることが知られており、その強さは紙巻タバコの5倍から15倍にもなるという。
以前から電子タバコの安全性については、健康に対する悪影響だけでなく子供の誤飲に繋がりやすいこと等、様々な疑問が投げ掛けられていたが、今回の研究によって新たに大きなクエスチョンマークがその安全性に対して追記されたことは間違いない。
日本ではニコチン入りの電子タバコは未発売。それでも不安は残るが・・・
幸いなことに日本で正規に販売されている電子タバコには現在のところニコチンが含まれているものは存在しない。しかし、その気になれば個人輸入によって海外の商品を簡単に手に入れることも可能であるし、ニコチンやホルムアルデヒド以外にも健康に影響を与える物質が含まれている可能性は残されている。
電子タバコを巡っては法規制を含めてまだまだ発展途上の段階にある。今回発表された研究結果も、それによって電子タバコより紙まきタバコの方が安全であると結論付ける物では決して無い。
何れにせよ、「電子タバコは安全」という単純な決め付けこそ「最も危険」と言わざるを得ないのが現状のようだ。