これは昨日今日に始まった話ではない。科学者らは宇宙が破滅するとの説を長きにわたり唱えてきている。
だがここにきて、宇宙の全体的なエネルギーが弱まってきており、それが理由で宇宙が終わりを迎えるとの説を裏付けする新たな研究結果が発表された。
今、宇宙で生み出されているエネルギーは20億年前の2分の1
今月10日、ハワイで開催された国際天文学連合のカンファレンスで、研究者らはGAMA(Galaxy And Mass Assembly)プロジェクトの研究結果を発表した。それによると、20万個以上の銀河を調査したところ、現在宇宙で生成されているエネルギー量は20億年前と比べてわずか半分なのだという。
このプロジェクトでは、宇宙と地上に設置されたありとあらゆる望遠鏡を使って紫外線や遠赤外線など21の波長で20万もの銀河すべてを観測したが、これは史上最大のマルチ波長観測となった。
この研究では、現在宇宙内で生成されているエネルギーと過去の異なる時点で生成されたエネルギーが描き出されている。
宇宙のエネルギーが消滅するときは宇宙が消滅するとき
研究チームは恒星が質量をエネルギーに変換する際に発する光を計測しているのだが、その光が輝きを失ってきている(星の燃料が減少している)のだという。
宇宙内に存在する燃料がすべて燃え尽きてしまったら、それが宇宙の終わりということになる。
今この時を生きる我々はあまり心配する必要はない、と科学者らはいう。彼らは、宇宙は少なくともあと数十億年は生き続けるものとみているからだ。しかし、宇宙レベルの比較をしたとき、宇宙は宇宙歴でいうベテラン=「高齢者」扱いなのではないか。
弱まってきているとされる宇宙のエネルギーだが、「ちょっとそこまで」寄り道をしているのだと思いたい。宇宙の「ちょっとそこまで」は我々にとっての数十年なのかもしれない。数年後、別の研究者らによって、「宇宙がエネルギーを取り戻した」との研究結果が発表されることを願いたい。
参照元:mental_floss