原題は”STILL ALICE”。直訳すると「まだアリス(でいる)」という感じでしょうか。今年のアカデミー主演女優賞を獲得したジュリアン・ムーアの映画です。
いつまで私でいられるだろうか? 若年性アルツハイマーになった学者
高名な言語学者のアリス(ジュリアン・ムーア)はキャリアに恵まれ、素晴らしい夫もいる充実した生活を送っていた。しかし、講演中に言葉が出ないという事態に見舞われる。
病院で診断してもらったところ、「若年性アルツハイマー病」と診断。不安と恐怖に押しつぶされるアリスはどう最期の日々を過ごしていくのか。
若年性アルツハイマー型認知症になった女性と、その家族を巡るストーリーです。渡辺謙が主役の映画『明日の記憶』も、この疾患が関わっていました。物忘れ、抑うつ症状などから始まり、身体の機能が衰えていきます。はっきりとした原因は分かっておらず、誰にでもなり得る病気だとも言われています。
この映画の監督、リチャード・グラツァーはALS(筋委縮性側索硬化症)で63歳で亡くなりました。身体の機能が衰えていくという点では、アルツハイマーと似ています。
私自身の憶測ですが、そういった疾患にかかった人間でなければ分からないようなことが演出にも出ているのではないでしょうか。このような映画では「分かる人にしか分からない」シーン、演出、台詞回しに注目して見ると、作品の奥深さが理解できると思います。
映画『アリスのままで』 2015年6月27日(土)全国ロードショー 配給:キノフィルムズ
公式サイト http://alice-movie.com/index.html
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