《あなたはくだらない存在です》《誰もあなたの話を聞いていません》《あなたは成長できません》《恋愛はすべて「脈なし」です》等々、強烈な印象を与える全14講のトピックで綴られた『プラス思考をやめれば人生はうまくいく マイナス思考法講座』。
著者はココロ社。1971年大阪生まれで、東大文学部卒業。その後、ゲーム制作を経て、普通のサラリーマンをしている方。
ここで著者は、「慎重にいこう、ものごとを紛らわすのではなくちゃんと反省していこう」という【マイナス思考】(むしろ筆者はプラス思考と感じたが)を推奨し、 むやみな「独りよがりの生き方」「自己中心的」「自己満足」のような【ひねくれたプラス思考】は現実逃避にすぎないと言っています。
これがプラス思考の2つの問題点?
ついつい、「物事のマイナス要因を忘れよう」となりがちなプラス思考。それを著者は、【ひねくれたプラス思考】とも呼んでいます。では、何がプラス思考の問題点なのか、筆者が読んで考えさせられた2箇所を抜粋します。
1. 「プラス思考がうまくいくように思えるのは失敗した事実を無意識に追いやるから」
【ひねくれたプラス思考】は耳触りがよいので、つい現実を見誤ってしまいがち。現実を直視しないことには現実をよくしようがないのでは。また自分の軸でものごとの失敗を消化しても、次にはつながりません。
2. 「夢が夢であるうちは、まず実現しない。実行計画を立てる理由には、夢までの距離感が掴め、抱いている夢が到底叶わない夢かどうかが分かるし、距離感が掴めれば、今何をすべきかが分かり、目標に向かって行動できる」
【ひねくれたプラス思考】の1つには、ありのままの現状を受け入れるというものも。確かにありのままは素晴らしい。でも、ありのままに居座ってしまっては現状維持につながりかねません。
尚、巻末には、【プラス思考→マイナス思考へ 言い換えフレーズ10】というものも付録。マイナス思考を試してみると、もしかしたら様々な感じ方が変化するのかも?