紙に鉛筆でメモをとる。今となってはどこかアナログな雰囲気が漂ってくる。しかし、実はこの「メモをとる」という作業が成功への鍵を握っているのだという。
集中して話を聞いているだけではダメな理由
有名な起業家の講演や、外部から人を呼んでレクチャーなどを開催する際、一言ももらさないように真剣に聞くのは当然である。なかには一字一句もらさないように、許可があればボイスレコーダーなどのその内容を録音することもあるかと思う。
だがちょっと待ってほしい。実は集中して傾聴しているよりもメモをとりながらの方が、その内容がずっと頭に入ってくるのだ。以下がその理由である。
1.メモをとることは「話を理解して自分なりに咀嚼する」こと
書く、あるいはタブレットにテキストを打ち込むなどのことが、自分なりに情報の処理を行うという学習姿勢につながっている。
2.書くことで記憶として蓄積されるという事実。
1970年代のリサーチによると、大学の講義でノートをとっていた学生は、とっていなかった学生と比べて1週間後の学習内容の記憶に7倍もの開きがあった。すでにこの頃からノートをとる重要性が判明していた。
3.講義や講演の内容をすべて網羅するのは不可能。
そのため独自の編集方法を考えるようになる。必要なメモが瞬時にどこにあるかわかるように、構成などを重視するようになる。総じて物事を俯瞰でみる能力が養われることに通ずる。効果的にノートをとることで内容が頭に入るだけではなく、自分の設定したゴールへの近道となる。
4.事前に「ノートをとるための準備をする」
難しい講義に備えて、可能な限り下読みをしてのぞむ。そうすることによって事前にわからない単語や、難しいことを調べることができる。
5.自分だけのオリジナルなノートの取り方をつくる
内容を全部書き写すノートは意味がない。自分にとって必要なキーセンテンスやワードを抜粋するようなスタイルを持とう。
6.第六感を駆使せよ
講演者らは、しばし重要なポイントを繰り返したりする。また言ったことだけではなく、その行間を読んでノートを作成していくということも必要である。ノートをとるのは集中力とのたたきでもあると理解するべき。
7.講演者や先生のノートや資料ばかりに頼らない
彼らがパワーポイントなどでつくった資料のコピーをもらったとしても、学生はさほどよい結果を出しているわけでもない。なぜなら成功の鍵は、入手したインフォメーションをどう処理したかという能力に依るからである。
8.ノートをとることで読解力がアップする
話を聴いて自分なりに理解しようとする習慣がつくことで、読解力がアップする。というのも、情報の中から瞬時にキーとなる言葉をピックアップする能力が磨かれるからだ。
9.どんなアイデアでもメモをとる習慣
常にノートをとる人は、アイデアの大小や内容にこだわらず、それらが浮かんだ時にメモをする。あイメージを形にするというのはこの作業の繰り返しである。つまりメモの量が成果へとつながっていくといっても過言ではない。
10.ノートをとる人はそれが目標のゴールへと導くことを知っている。
リサーチによると自分が思い描くゴールについて実際に文字にした人は、そうでない人よりも33%も成功する確率が上がったという。手書きであろうが、パソコンで打とうが、自己実現のためには、目標を文字にするというのが成功への第一歩である。
参照:Lifehack