過酷なレースと聞くと、そのキツさから鉄人レースと言われるトライアスロンを思い浮かべる人、多いのではないでしょうか。でも世界は広し、この世にはトライアスロンよりも過酷なレースやマラソンが多く存在します。
「本当の意味」で過酷な7つのレース・マラソン(とおまけ1つ)を取り上げている記事があったのでご紹介しましょう。
1. バイタリティ・ウェストミンスター・マイル(1.6キロ)
わずか1.6キロと短いレースコースで行われるレ―スですが、多くのプロランナーが口をそろえてフルマラソンよりもキツいと言うほど過酷なバイタリティ・ウェストミンスター・マイル。
トラファルガー広場からバッキンガム宮殿に伸びる並木道のザ・マルからスタートして、フィニッシュはバッキンガム宮殿と、なんとも豪華なレースなのですが、1.6キロならば小学校高学年の子供でも6~7も分あれば走れる距離です。
1.6キロというあっという間に終わるようなこのウェストミンスター・マイルをプロランナーが過酷だとするのは、走るペースにあります。1.6キロを3~4分ほどで完走するには、レースの最初から最後までほぼ全力ダッシュのペースで走り続ける必要があります。フィニッシュ後にキツさで嘔吐する人もいるのだとか。
2. ゾンビ避難レース(5キロ)
欧米でのゾンビ人気はすさまじく、1年を通して各地で様々なゾンビイベントが開催されていますが、「ゾンビが出現したらどうする?」を身をもって学べるゾンビ避難レースなるものがあるんです。
ただこのゾンビ避難レース、かなり過酷だと言われています。全長5キロのレースコースですが、5キロずーっとゾンビの群れに追い掛け回されるのではたまったもんではありません。絶叫したり、よけたり、回り道したりと、フルマラソン以上の疲労感に襲われること間違いなしです。
3. ナッカー・クラッカー(10キロ)
このレースも10キロと、走りなれている人には楽勝の距離ですが、このレースが過酷だといわれるのはそのコースに理由が。サリー州のボックス・ヒルのアップダウンに、参加者らはゼーゼー。また、参加者の服装は自由なので、だぼっとしたマスコット風のランナーや、かっこよくローマ兵風に重い防具などをつけたランナーなどは、激しく後悔するはめに。
そしてこのレースが過酷だという一番の理由は、このレースが元日の朝11時開始だということ。カウントダウンパーティーで夜通し遊んだ人には、かなり厳しい年初めの運動になりそうですね。
4. ザ・ビースト(ハーフマラソン)
もうそのネーミング(獣)からして過酷そうなのが想像できますが、上の写真を見ていただければその過酷さは一目瞭然でしょう。ドーセット州の有名なコーフ城からスタートしてから痛み・苦しみとの闘い、そしてクライマックスは、永遠に続く空へとのびる階段。
ご褒美は、この階段を登り切った後に見ることができる絶景だそうですよ。
5. メドック・マラソン(フルマラソン)
40ものブドウ畑を望みながら走るフルマラソン。赤ワインの産地として有名なボルドーのメドックで開催されます。仮装したランナーが、水はもちろんワインやチーズなどが支給される給水・給食(?)ポイントを楽しみに走ります。これのいったい何が過酷なの?想像してみてください。ワインをごくごく飲んで走り、チーズやハムをパクパク食べてまた走り、それを繰り返すとどうなるか・・・ フランスならではといったレースですね。
6. ドラゴンズ・バック(フルマラソンのおよそ7.5倍の距離!)
レースの全長なんと322キロ!!!1キロ走るのでさえ億劫と感じる筆者にとっては、322キロなど、もう恐ろしいというよりも想像することさえ難しくあります。
ハットリ君のように山を飛び谷を越え、荒野を行くこのレース、鉄人以上の強靭さが必要とされるため、1992年に初めて開催された後は2012年まで開催されることはなかったとか。
このレースではコースが用意されていないので、地図やコンパスが使えない人の参加は無理ですね。
7. スパルタン・ビースト
20キロものレースコース上におよそ35の障害が待ち受ける過酷な障害レース。精神的にも肉体的にもぎりぎりの限界に挑めるため、タフガイたちに大人気のレースです。
日本でも2014年にスパルタンレースが登場して、従来の障害物レースやアドベンチャーレースとはまた違った興奮を得られるとして人気を博しています。
最後におまけのレース・・・これが最も過酷なレース?!
上記7つの世界で最も過酷なレースを完走したランナーでも、この「奥さんを担ぐレース」には音をあげることでしょう。わずか370メートルのレースながら、男性陣のゼーハーぶりからこのレースの過酷さがうかがえます。
奥さんの体重がドシリな重圧感はもちろん、「落としたらただじゃおかないわよ」的な威圧感を感じて走る370メートルは、ドラゴンズ・バッグ以上の距離に匹敵するのでしょうね。
強靭な意志と肉体をもってしても厳しいと思われるこれらのレースに参加する人たちは年々増え続けているそうです。筆者は、恐怖の階段を登り切った後に見れる絶景を拝んでみたいかも、と一瞬思いましたが、やっぱりおまけのレースで担がれる奥さん役でいいやと思い、パートナーに打診するも超全力で無理無理と連発され、見事断られました。
参照元:GQ