1989年に設立された高級腕時計のブランドVentura(ヴェントゥーラ)は、これまでに様々なデザインの賞を取り、ニューヨーク近代美術館に永久展示もされている。そのVenturaが、「メカニカルクォーツによるデジタルウォッチ」というコンセプトで発表している腕時計のシリーズがSPARC(スパーク)だ。今回は、その中でも、レトロな未来風、とでも言うべき奇妙な味のある「Ventura SPARC Sigma MGS (ヴェントゥーラ スパーク シグマMGS)」を取り上げる。
このVentura SPARC Sigma MGSは、角のない滑らかなフォルムが特徴的だ。そして、他のSPARCシリーズと同様に、電池式ではなく、メカニカルな自動巻方式で充電する。そのためのフライホイール(腕の振動でグルグル回る金属の円盤)が、裏側でなく、わざわざ表側に見えるように付けてあるのが奇妙に面白い。アナログなフライホイールと、デジタルの文字盤が並べて配置されているので、先進的なデザインなのかレトロを狙ったデザインなのか、まるで分からなくなる。それがVentura SPARC Sigma MGSの味だ。
これを腕にはめて、友だちに感想を求めてみよう。何とも言えず口ごもってしまうはずだ。その様子を見るのもまた面白い。
この記事をシェア